[Amazon Connect] Connectが東京リージョンに来たので、シドニーのコンタクトフローを移設してみました
1 はじめに
AIソリューション部の平内(SIN)です。
本日、東京リージョンで利用可能になったAmazon Connect(以下、Connect)では、コンタクトフローのエクスポート及び、インポートが可能です。(どちらも、現在ベータとなっています)
今まで、シドニーで運用していたインスタンスを、東京に移行するニーズも多くなるだろう、という事で、コンタクトフローの移設を試してみました。
2 移行対象のフロー
題材として、Lambda の実行を含んだフローで、2つのフローが連携して動作しているものを準備しました。
(1) 1つ目のフロー
1つ目のフローでは、Lambdaを実行して、2つ目のフローに遷移させてます。
exports.handler = async function(event, context) { console.log(JSON.stringify(event)); return { message: "Lambdaのメッセージです" }; }
(2) 2つ目のフロー
2つ目のフローでは、1つ目のフローで実行したLambdaの戻り値を、プロンプト再生した後、キューに入れています。
正常に動作すると、以下のような流れになります。
- 接続
- 「最初のフローです」
- 「2つ目のフローです」
- 「Lambdaのメッセージです」
- キューでの待機
3 エクスポート
問い合わせフローエディタの「保存」ボタンから「フローのエクスポート(ベータ)」を選択すると、コンタクトフローをJSON形式のファイルに出力することができます。
取得したJSONを開いてみると、各ブロックが配列で定義され、ブロックごとに振られたIDで、それぞれが接続されているようすを確認できます。また、別のフローや、Lambdaなどは、それぞれのARNで指定されています。
ARNには、リージョンや、ConnectのインスタンスIDが含まれていますが、東京リージョンに移すことで、この辺がどのようになるか確認していきたいと思います。
1つ目のフローの抜粋
{ "modules": [ { "type": "SetVoice", "parameters": [ { "name": "GlobalVoice", "value": "Mizuki" } ], ・・・略・・・ }, { "type": "SetLoggingBehavior", ・・・略・・・ }, { "type": "Transfer", ・・・略・・・ "parameters": [ { "name": "ContactFlowId", "value": "arn:aws:connect:ap-southeast-2:**********:instance/d091242f-c757-4652-be7b-f9545cf8f8ef/contact-flow/f0cf67dc-81dd-4e06-a504-36251c248486", "resourceName": "SampleSecond" } ], ・・・略・・・ }, { "type": "PlayPrompt", "parameters": [ { "name": "Text", "value": "最初のフローです。", "namespace": null }, ], ・・・略・・・ }, { "type": "InvokeExternalResource", "parameters": [ { "name": "FunctionArn", "value": "arn:aws:lambda:ap-southeast-2:**********:function:Relocation_hello" }, { "name": "TimeLimit", "value": "3" } ], ・・・略・・・ ], ・・・略・・・ "type": "contactFlow", "start": "9639752f-7319-4106-b6ba-5317779db283", ・・・略・・・ }
4 インポート
東京リージョンにインスタンスを上げ、先のフローをインポートしてみます。
(1) 1つ目のフロー
問い合わせフローを新規に作成して、保存メニューから「インポート(ベータ)」を使用して、先のフローをインポートしてみます。
読み込んだフローを「保存して発行」とすると、エラーとなります。これは、2つ目のフローへの遷移ブロックがありますが、まだ2つ目のフローが読み込まれていないためのエラーのようです。 取り合えず、ここは「保存」としておきます。
(2) 2つ目のフロー
こちらも、「保存して発行」はエラーとなります。今度は、「キュー」が存在しないためです。ここも、一旦「保存」としておきます。
(3) キュー
キューについては、エクスポート・インポートが出来ないので、新規に作成する必要があります。
(4) 2つ目のフローの「保存して発行」
2つ目のフローに戻って、「保存して発行」をしてみましたが、やはりエラーとなってしまいました。恐らく、名前が同じでも、キューのARNが違うからだと思います。プロパティを開いて、選択リストの中からキューを選択しなおすことで、「保存して発行」が出来ました。
(5) 1つ目のフローの「保存して発行」
その後、1つ目のフローに戻っても、「保存して発行」はエラーでした。 こちらもフローのARNの違いでしょう。プロパティを開いて、選択リストの中からフロー名を選択し直する「保存して発行」が出来ました。
(6) Lambdaの移行
Lambdaのコードを東京リージョンにDeployして、Connectの東京リージョンのインスタンスにパーミッションを与えます。
「AWS Lambda関数を呼び出す」ブロックは、エラーとはなっていませんでしたが、リージョンが変化してARNが変わっているので、変更は必須です。
5 各種ID
ここで移設前と後の各種IDを確認してみると以下のようになっていました。
フロー内の各ブロックのIDは、そのままで、インスタンスIDがインポート先のインスタンスIDに書き換わっています。また、フローのIDは、新しく採番されています。
リソース | リージョン | ARN |
---|---|---|
1つ目のフロー | シドニー | arn:aws:connect:ap-southeast-2:{AWSアカウント}:instance/d091242f-c757-4652-be7b-f9545cf8f8ef/contact-flow/d504ce50-e2ba-4596-969a-ba3981ed33d0 |
1つ目のフロー | 東京 | arn:aws:connect:ap-northeast-1:{AWSアカウント}:instance/7fd93104-c08b-4b6e-b4b8-105de9729995/contact-flow/f14e0a55-832f-4438-954c-0c18ceaca277 |
2つ目のフロー | シドニー | arn:aws:connect:ap-southeast-2:{AWSアカウント}:instance/d091242f-c757-4652-be7b-f9545cf8f8ef/contact-flow/f0cf67dc-81dd-4e06-a504-36251c248486 |
2つ目のフロー | 東京 | arn:aws:connect:ap-northeast-1:{AWSアカウント}:instance/7fd93104-c08b-4b6e-b4b8-105de9729995/contact-flow/67119a4f-4fbc-4a42-9d75-9d20cb6a8344 |
キュー | シドニー | arn:aws:connect:ap-southeast-2:{AWSアカウント}:instance/d091242f-c757-4652-be7b-f9545cf8f8ef/queue/d4168d1a-a64a-4cdd-8945-c3411289b786 |
キュー | 東京 | arn:aws:connect:ap-northeast-1:{AWSアカウント}:instance/7fd93104-c08b-4b6e-b4b8-105de9729995/queue/e0ec924b-d857-4128-bcc0-e712f99e63e4 |
Lambda | シドニー | arn:aws:lambda:ap-southeast-2:{AWSアカウント}:function:Relocation_hello |
Lambda | 東京 | arn:aws:lambda:ap-northeast-1:{AWSアカウント}:function:Relocation_hello |
5 最後に
今回は、リージョン間のコンタクトフローの移行を試してみました。
インスタンスIDについては、インポートで書き換わるので気にしなくても良さそうですが、フローやキューのIDが新たに採番されることに注意が必要そうです。
なお、LambdaのARN書き換えは、必須となります。
多くの場所にLambdaを配置しているような場合は、幸い、エクスポートしたコンタクトフローが非常にわかりやすいJSON形式なので、シェルなどで一発変換してからインポートした方が効率的かも知れません。
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